英才教育課題解説

こどもの英才教育【gifted-child】の解説集です!

《 問題解説 Warming up 》気づかなかった周りの変化に気づこう!

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まずは、解答例から。

味覚、聴覚、視覚、嗅覚、触覚から気づく周りの変化を見つけて羅列してみましょう。 

 

1.味の変化

・サツマイモを焼いて食べたら数十倍も甘くなった

・辛いスープを熱々にして飲んだら更に辛さが増した

・テーブルに置いてあった豆腐の味が酸っぱくなった

・リンゴジュースにグレープフルーツジュースを入れたら苦くなった

・いつもおいしいイチゴが、あまいケーキを食べた後に食べるとおいしくない

など

 

2.音の変化

・水が入ったコップを箸でたたくと水の量で音が変わる

・家の外で聞こえるサイレンが徐々に小さくなっていく

・家のそとにある機械の音が夜には大きく聞こえる

・お兄ちゃんは小学生のときと高校生の時の声が違う

・お母さんは朝の声と夜の声が違う

など

 

3.見た目の変化

・半透明だったタマゴの白身が白く変わった

・ぴかぴかだった自転車の部品が赤茶色に変わった

・空の色が青からピンクに変わった

・皮を剥いたリンゴが茶色く変わった

・黒いエビを茹でたら鮮やかなオレンジ色になった

・きれいな黄色のバナナに黒い点が出てきた

・小さな米が炊いたら少し大きくなった

など

 

4.匂いの変化

・匂いがしなかった米だけど、炊いたら家中ご飯の匂いに包まれた

・雨が降ると庭からいつもと違う匂いがする

・きれいだったお父さんの足が夜になると臭くなる

・新鮮な牛乳を1か月飲まずにおいておいたらとても臭くなった

・お風呂にカビの匂いがしはじめた

など

 

5.肌感覚の変化

 ・冷たい窓のガラスが昼間の日差しで温かくなった

・さらさらだった肌が汗でべとべとする

・さらさらだった水が凍ってざらざらとする

・去年生まれた妹を抱いてみると半年前より重くなった

など

 

このように私たちの周りには数えきれないほどの小さな変化が起きています。その変化を見つけて、原因を考えることは非常にレベルの高い学習になります。

 

さて、今回の問題は、身体の五感を利用して、身の回りの変化に気づいてもらおうとした問題です。当たり前のように普段の日常で経験から‘変化’に気づく事で、周囲から与えられる五感の刺激を情報として蓄える事を目的としています。無意識的に体験している経験を意識して言語化する事で、経験の知識化が期待できます。つまり、経験したことのある体験的記憶を、いつでも引き出せる知識として取り扱えるようになるのです。

 

また、経験から得た情報の因果関係を調べたり考えたりする中で、知識の運用方法を理解する事になります。

 

例えば、「熱いお茶は時間が経つにつれて冷めてしまった&冷たい氷は時間が経つにつれて溶けてぬるい水になってしまった」といった現象を見て「熱いお湯は時間が経つと冷める&冷たい氷は時間が経つと溶ける」といった経験的な知識が身に付きます。

 

ここで、その現象の原因を調べ、考えたところ「熱は高いところから低いところへ移動するために、常温では80℃の熱いお茶は冷めるし、0度の冷たい氷は溶ける」と現象を理解する事ができます。

 

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▲熱いお茶の熱が湯気の形で移動している 

 

この経験的知識は、後に学校で学ぶ事になる【熱伝導】の知識であって、子供の経験的知識から自然と理解する事ができます。

 

このように、普段の生活の中で周囲の現象を注意深く観察したり、調べたり、考える事で素晴らしい洞察力が身に付きます。また、経験的知識は、与えられた言語的情報ではなく、生活の中で経験して理解した活きた知恵としていつでも引き出す事ができます。

 

 

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▲様々な科学技術が結集した仕掛けだらけの場所の家

 

解説では、子供が最も長く過ごす家の中から、身近なものがどんな変化をしているか考えてもらうための一例を紹介しています。これらの例は、子供の生活の中でも一度は見て、触って、自ら体験した可能性の高いテーマです。子供と共に家中を歩き回りながら、どんな変化があるのか一緒に考える事は非常に良い勉強になることでしょう。

 

本ブログで紹介している例題の答えは、以上の解説で説明している答え以外にも無数に考えられます。個人的に認識しうる変化や、身体の中の変化、ごく当たり前に分かってしまう変化まで、どんな変化でも大正解です。大事な事は、変化を見つけて認識し、自分の言葉にして答えられるようになる事です。この一連の流れで‘変化’に気づき、見つけ出す力が養われ、子供の思考能力が伸びる土台が強く形成される事になります。